茨木のり子さんの「桜」 (パンパステル)

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            「 さくら 」                           
                             
                      茨木 のり子 詩

          ことしも生きて
          さくらを見ています

          人は生涯に
          何回ぐらいさくらを見るのかしら

          ものごころがつくのが十歳ぐらいなら
          どんなに多くても七十回ぐらい
          三十回 四十回の人もざら
          なんという少なさだろう

          もっともっと多く見るような気がするのは
          祖先の視覚も
          まぎれこみ重なりあい霞立つせいでしょう

          あでやかとも妖しとも不気味とも
          据えかねる花のいろ

          さくらふぶきの下を ふららと歩けば
          一瞬
          名僧のごとくにわかるのです

          死こそ常態
          生はいとしき蜃気楼と


                ***
         
          大好きな茨木のり子さんの詩です。

         桜を見るのは年の数だけだとすると、
       後、何回見れるのだろう、このわたくしは。

         若い頃は考えもしなかった自問です.。

  近くにある川の土手の桜も2~3日前、一挙に満開になりました。


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