庭の燈ろう

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庭に雪見燈ろう(もどき?)があります。

名工が作ったものでも何でもありません。

昔、モノ作りが好きだった父が、セメントで作った自慢の灯ろうです。

元々、遠い県外の実家にあったのを、
80才になった父が一人暮らしにピリオドを打ち、
我が家で同居する事を決めた時に、ワザワザ送って来たのです。

当時、届いたその梱包を見て、私は思わず絶句。

運送屋さんがしてくれたそうで、
布と板で頑丈に囲い、まるで高尚な美術品のごとき仕様だったもの。

余程思い入れが深かったのでしょう。

以来折に触れ、制作過程の楽しい苦労話を繰り返し聞かされる時は、
又かと、適当に聞き流したものです。

晩年(行年86才)、足腰すっかり衰えましたが、
今、この燈ろうを眺めていると、
人生で一番輝いていたであろう若き日の、父の心意気を感じるのです。

決して仲のいゝ父娘ではなかったけれど、
もっと父の心に寄り添っていれば良かった、と悔やまれます。

父が逝って30年。